フェミニズム映画の古典的名作リバイバル上映も!「イスラーム映画祭7」4/30より元町映画館で開催

 


「元町映画館ものがたり」にてご紹介しているイスラーム映画祭。2017年の第2回から神戸会場として開催している同映画祭も今年で7回目を数えます。ゴールデンウィークの恒例としてもはや楽しみにしてくださっている常連のお客様も多いイスラーム映画祭。主宰の藤本高之さんが厳選した全13本が上映されます。


 今回は、アラブ映画の枠を越え、「フェミニズム映画の古典的名作」と呼ばれる『ある歌い女(うたいめ)の思い出』で監督デビューを果たし、女性の苦難を描き続けたムフィーダ・トゥラートリ監督(1947年生、2021年2月、新型コロナウイルス感染症により73歳で逝去)を偲び、同作および、その後継と言えるマグリブ諸国(チュニジア、アルジェリア、モロッコ)の女性監督の作品3本が特集上映されます。


『ソフィアの願い』(日本初公開)

モロッコのマルヤム・ビンムバーラク監督が、人権よりも恥や名誉を重んじられる社会の歪みを描いた作品。

ストーリー:20歳のソフィアはある日突然破水し、従妹のリナに付き添われ病院で出産する。しかし、相手が夫でなければ婚外交渉として通報されてしまう。両親にもばれたソフィアは、相手は以前職場で出会ったウマルだと明かすが…。


『ヌーラは光を追う』(日本初公開)

チュニジアのヒンド・ブージャマア監督が、自由を夢見ながらも様々な障壁に直面する女性の苦闘を描いた、緊迫感溢れるドラマ。

ストーリー:ヌーラは夫のジャメルが刑務所にいる間に離婚すべく、密かに愛しあうラサドとともに手続きを進めていた。しかし、離婚成立を間近にジャメルが突然釈放される。2人の関係が公になれば姦通罪で実刑が科せられることに…。



『時の終わりまで』(日本初公開)

アルジェリアのヤスミーン・シューイフ監督が、生や死に対する考え方が時代とともに変わりつつある様子を、独特のユーモアを交えて描いた作品。

ストーリー:アルジェリア西部の集団墓地で、遺体のお浄めと埋葬の仕事をしているアリー。ある聖廟参詣の祭りに、姉を亡くして絶望している女性ジョヘルが訪れる。彼女の頼みを聞いているうちに、アリーとジョヘルは親しくなるが…。



『ある歌い女(うたいめ)の思い出』

1994年に製作され、同年のカンヌ国際映画祭でカメラ・ドール特別賞を受賞するなど世界で称賛を浴び、日本では2001年に劇場一般公開されたチュニジア映画の本作を21年ぶりにリバイバル上映。

ストーリー:妊娠しているバーの歌手アリヤは、恋人のロトフィが子どもを望んでいないことに傷ついていた。ある日、幼い頃に面倒を見てくれたシド・アリの訃報が届く。彼は10年前に廃位されたチュニジア王制最後の皇太子だった…。



『ミナは歩いていく』

昨年のイスラーム映画祭で反響を呼び、藤本さん自身も思い入れが強いというアフガニスタン映画をアンコール上映。

「元町映画館ものがたり」第5章 10周年、街になりたつ映画館 その存在理由 

■これからのジェンダーを映画で考える

・イスラーム映画祭にみる踏みにじられた女性の人権と、顔を上げて生きる逞しさ

より、同作について記載した箇所を抜粋してご紹介します。


今年のラインナップのなかで藤本さんの思い入れがいちばん強いアフガニスタン映画『ミナは歩いていく』は、「ジャン=ピエール・レオ主演『大人は判ってくれない』の少女版」。子どもの孤独を描いた名作が脈々と受け継がれていくなか、アメリカやヨーロッパだけでなく、アフガニスタンで描かれたことに価値があると評価している。


本作は1989年アフガニスタンに生まれ2歳でカナダに移住したユセフ・バラキ監督が、故郷アフガニスタンの首都カーブルで自らカメラを携え、19日間で撮りあげた作品。12歳前後の主人公、ミナは路上で物売りの仕事をしながら病気の祖父やドラッグ中毒の父の面倒をみている。相手が親だろうが、商売の元締めだろうが、自分の意思をしっかり示し、決して弱音を吐かない。働く合間に学校に行き、水汲みにも行き…と、カーブルの街を動き回るミナを臨場感いっぱいに捉えている。お金のため父が勝手に決めた年配男性との結婚も徹底的にNOを貫き、家を飛び出して自活の道を選ぶ。貧しい=かわいそうという図式に押し込めるのではなく、そこで生きる女子の逞しさと孤独が焼きつくと同時に、今は海外の支援者すら入国できないというカーブルの街の活気も感じられる。


だが、映画祭が終わった翌日の5月8日に、カーブルにある中学校付近で爆発があり、下校時間だった女子生徒たちが多数死傷したニュースが大きく報じられた。またもや女性が、しかも学校で先生や友達と過ごす時間が大変な日常の中で唯一の安らぎだったミナのような生徒たちが繰り返される暴力の犠牲になったと思うと言葉もない。


多彩なトークセッションで、イスラーム世界の今を知る映画祭。昨日リリースした「まくあいにぎり」と共に、2本、3本とお楽しみください!

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書籍「元町映画館ものがたり 人・街と歩んだ10年 そして未来へ」発売を記念し、イラストレーター朝野ペコさんの描き下ろしカバーイラストをプリントしたバッグ(黒)との特別セットを限定数販売いたします。※元町映画館劇場受付とオンラインショップのみの販売となります。※バッグのみの販売はいたしません。マチなしで、すっきりとしたフォルム。Lサイズなので、A4サイズの書類もラクラク入ります。しっかりめのキャンパス地なので、コンパクトに折りたため、メインバッグだけでなくエコバックとしてもご利用可能。本の表紙からチラリとのぞく、映画館と神戸にまつわる楽しいイラストが全面に広がる、他では手に入らないデザインです。お気に入りの本やパンフレットを入れて、映画館めぐりのお供にぜひ!★書籍詳細「元町映画館ものがたり 人・街と歩んだ10年 そして未来へ」元町映画館出版プロジェクト 責任編集:江口由美P304/四六判/ソフトカバー ​​制作:神戸新聞総合出版センター【主な収録内容】第1章 街に映画館をつくる 設立構想からオープンまで第2章 街で映画館をいとなむ その仕事とひと第3章 街で映画館をはぐくむ  観客と一緒に育つ第4章 コロナ禍の臨時休館、そのとき映画館は? 営業再開まで4ヶ月間の全記録第5章 10周年、街になりたつ映画館 その存在理由資料編    ・元町映画館年間売上上位10作品一覧   ・年表(元町映画館と神戸、映画界、世の中の出来事)詳細はこちらhttps://motomachieigakanstory.amebaownd.com/★バッグ詳細名称:「元町映画館ものがたり」オリジナルブックバッグカラー:黒印刷方法:インクジェットプリントサイズ:約横33cm×縦39cm(持ち手含む高さ46cm)素材:綿100% 8ozキャンバスイラスト:朝野ペコ主に雑誌や書籍、広告のイラストレーションを手がける。2021年公開『花束みたいな恋をした』では劇中イラストを担当。元町映画館では開業時から各種イラストを担当している。『イラストレーションファイル2019』表紙、NHKテキスト挿絵、雑誌『TRANSIT』『山と渓谷』挿絵、心斎橋PARCO壁画グラフィックなど。音楽や映画、ファッションの要素を取り入れて創作している。◆お取り扱い上の注意◆・洗濯時に縮みや色落ちの恐れがあるため洗濯することができませ

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